特定健診・各種検診
健康診断とは
診察および各種の検査を通じて健康状態を評価し、健康の保持や、生活習慣病などの予防・早期発見に役立てることを目的として行われるのが健康診断(健診)です。なお、健康診断には、様々な種類(特定健診、自費健診、企業健診など)があり、受ける項目もそれぞれ異なります。
当院では、平成20年度より、法律で決められた「特定健康診査(特定健診)」のほか、労働安全衛生法に基づく「雇入時の健診」や「定期健診」などの企業健診のほか、自費による健康診断、いわゆる「自費健診」も行っています。お気軽にご相談ください。
特定健康診査とは
生活習慣病への罹患リスクを高くするメタボリックシンドロームを早期のうちに発見するための健康診査を特定健康診査(特定健診)と言います。
当院は「高齢者の医療の確保に関する法律」に基づいて、「特定健診」と「特定保健指導」を行っており、たつの市が実施している市民総合健診(特定健康診査)で個別健診を希望する方が受診する実施医療機関のひとつでもあります。このほか市が実施している各種検診の中の肺がん結核検診・喀痰検査、胃がん検診(胃カメラ)、大腸がん検診、肝炎ウイルス検診、前立腺がん検診、腹部エコー検診、胃がんリスク検診の実施医療機関でもあります。ご希望の方は、当院まで予約日時を直接ご連絡ください。
たつの市の市民総合健診(個別健診)
- 対象者
-
当年度末となる3月31日の満年齢で
1.30~39歳の方
2.40~74歳でたつの市の国保に加入している方
3.75歳以上の方(65歳以上の後期高齢者医療加入者も含む) - 特定健診の基本項目(1.、2.、3.とも)
- 問診、身体計測、腹囲計測、尿検査(糖、蛋白)、血圧測定、理学的検査(診察)、血液検査(脂質、肝機能、尿酸、血糖検査)、貧血検査、血糖クレアチニン検査
- 医師が必要と判断した際に行う検査(1.、2.、3.とも無料)
- 心電図検査、眼底検査
*市民総合健診(個別健診)の詳細は、たつの市の公式ホームページをご覧ください。
各種検診
加入の保険に関係なく、たつの市の市民であれば受診可能。当院で行う各種検診は次の通り。
肺がん結核検診
- 対象者
- 翌年度の4月1日現在で満年齢が30歳以上となる方
- 検査内容
- 胸部レントゲン
肺がん結核検診、喀痰検査
- 対象者
- 翌年度の4月1日現在で満年齢が50歳以上で、喫煙指数(年数×1日の喫煙本数)が600以上あった方
- 検査内容
- 喀痰細胞診(3日間痰採取)、胸部レントゲン
胃がん検診(胃カメラ)
- 対象者
- 翌年度の4月1日現在で満年齢が30歳以上となる方
- 検査内容
- 胃部内視鏡検査
大腸がん検診
- 対象者
- 翌年度の4月1日現在で満年齢が30歳以上となる方
- 検査内容
- 便潜血検査(2日間)
肝炎ウイルス検診
- 対象者
- 翌年度の4月1日現在で満年齢が40歳以上となる方で、過去に1度も検査を受けたことのない方
- 検査内容
- B型・C型肝炎ウイルス血液検査
前立腺がん検診
- 対象者
- 翌年度の4月1日現在で満年齢が50歳以上となる男性
- 検査内容
- 血液検査
胃がんリスク検診
- 対象者
- 翌年度の4月1日現在で満年齢が30歳、35歳、40歳、45歳となる方
- 検査内容
- 血液検査によるヘリコバクター抗体検査およびペプシノゲン検査
各種検診の詳細は、たつの市の公式ホームページをご覧ください。
雇入時の健診、定期健診について
当院では雇入時の健診および定期健診といった企業健診(一般健康診断)を行っています。主な健診内容は以下をご覧ください。
- 雇入時健診
- 事業者は常時使用する労働者を雇い入れる際は、その労働者に対して、下記の項目について、医師による健康診断を行わなければなりません(労働安全衛生規則第43条)。
-
- 既往歴、業務歴の調査
- 自覚症状、および他覚症状の有無の検査
- 身長、体重、視力、聴力の検査、および腹囲の測定
- 胸部X線検査
- 血圧の測定
- 貧血検査(血色素量、赤血球数)
- 肝機能検査(ALT、AST、γ-GT)
- 血中脂質検査(LDLコレステロール、HDLコレステロール、血清トリグリセライド)
- 血糖検査(空腹時血糖、またはHbA1c)
- 尿検査(尿中の糖、および蛋白の有無の検査)
- 心電図検査
- 定期健診
- 事業者は年に1回(深夜業や坑内労働などの特定業務従事者は年2回)以上、定期的に下記項目の健康診断を行わなければなりません(労働安全衛生規則第44条)。
-
- 既往歴、業務歴の調査
- 自覚症状、および他覚症状の有無の検査
- 身長、体重、視力、聴力の検査、および腹囲の測定
- 胸部X線検査、および喀痰検査
- 血圧測定
- 貧血検査
- 肝機能検査(ALT、AST、γ-GTの検査)
- 血中脂質検査(LDL コレステロール、HDLコレステロール、血清トリグリセライド)
- 血糖検査(空腹時血糖、またはHbA1c)
- 尿検査(尿中の糖、および蛋白の有無の検査)
- 心電図検査
※身長・腹囲、胸部X線、喀痰、貧血、肝機能、血中脂質、血糖、心電図の各検査については、医師が必要でないと認めた場合には、省略することができます。
自費健診とは
健康診断を目的とした検査を受ける場合、健康保険は適用されません。そのため「自費」による健診(自費健診)となります。なお、検査項目についてはご自身で選択することができます。
また自費健診の結果、何かしらの病気が発見された場合には、以後、その病気の診療につきましては健康保険が適用されます。
予防接種
予防接種とは
当院では、小児の定期予防接種と成人向けの予防接種(インフルエンザ、肺炎球菌)を行っています。予防接種とは、注射によるワクチン接種のことで、ワクチンは感染症の原因となる各種の細菌やウイルスの病原性を弱めたり、また、それらを無毒化したりしてつくられます。これを接種することによって免疫をつけ、特定の病気に罹りにくくするほか、万一その病気に罹ったとしても軽症で済むように行うものです。このほかにも、感染症の流行を阻止する(集団免疫)という目的もあります。
予防接種(小児)
小児の予防接種
赤ちゃんは母体から様々な免疫を引き継いで生まれますが、その効力は成長と共に減弱していくので、数々の感染症に罹りやすくなっていきます。そのため、感染症から身を守るために予防接種は行われます。多くの場合、生後2ヵ月からワクチン接種が始まります。
「定期接種」と「任意接種」
お子様が受ける予防接種には、「定期接種」と「任意接種」の2種類あります。定期接種とは、国が「一定の年齢になったら受けるように努めなければいけない」(接種の勧奨)と規定しているワクチンです。とくに感染力が強く、集団での感染のリスクがある病気の予防を目的としており、一番重症化しやすい時期に接種が推奨されています。費用は公費負担ですので、対象期間に摂取すれば無料になります。なお、対象期間を過ぎた場合は、全額自己負担で実施する「任意接種」となりますのでご注意ください。当院では、この小児の定期予防接種を行っています。
一方の任意接種は、国が定める法律外、対象年齢外の予防接種になります。ただ任意であっても、必ずしも重症化しないわけではなく、中には重症化すると命を落とす危険性の高い病気もあります。費用は基本的に自費になりますが、任意接種もできる限り受けていくことが推奨されます。
小児が受ける定期予防接種の種類と回数および推奨年齢
- ヒブワクチン【不活化ワクチン】(生後2~4ヵ月の間に3回、12~17ヵ月までに1回の計4回の接種を推奨)
- 小児用肺炎球菌ワクチン【不活化ワクチン】(生後2~4ヵ月の間に3回、12~15ヵ月までに1回の計4回接種を推奨)
- B型肝炎ワクチン【不活化ワクチン】(生後2~3ヵ月の間に2回、7~8ヵ月までに1回の計3回接種を推奨)
- 4種混合ワクチン(DPT-IPV:ジフテリア・百日せき・破傷風・ポリオ)【不活化ワクチン】(生後3ヵ月~2歳の誕生日前までに計4回の接種を推奨)または、3種混合ワクチン【不活化ワクチン】(DPT:ジフテリア・百日せき・破傷風)とポリオ【不活化ワクチン】(生後3ヵ月~2歳の誕生日前までに計4回の接種を推奨)
- 2種混合ワクチン(DT:ジフテリア・破傷風)【不活化ワクチン】(11~13歳未満の間に1回接種)
- 麻しん(はしか)・風しん混合ワクチン(MR)【生ワクチン】(1歳~2歳の誕生日前に1回、5歳~7歳の誕生日前までに1回の接種を推奨)
- 水痘(水ぼうそう)ワクチン【生ワクチン】(生後12~15ヵ月で1回、その後6~12ヵ月開けて1回の計2回を推奨)
- 日本脳炎ワクチン【不活化ワクチン】(3歳の間に2回、4歳の間に1回、9~12歳の間に1回の計4回を推奨)
- BCGワクチン【生ワクチン】(5~8か月未満の間に1回の接種を推奨)
- 子宮頸がんワクチン(HPV)【不活化ワクチン】(中学1年生の女子が対象で計3回の接種を推奨)
※2013 年 6 月から積極的接種推奨は中止
小児の予防接種の詳細は、日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール等をご覧ください。
スケジュール管理について
小児の予防接種は、定期と任意含め、何種類もワクチンがあり、また同じワクチンでも接種回数が複数回あるなど複雑なため、全てのスケジュールを把握するのは困難です。そこで当院は、ワクチンの打ち漏らしが心配という保護者の方には、接種のスケジュール管理のお手伝いをいたします。ご希望の方は、お気軽にお申し出ください。
予防接種(成人)
成人の予防接種
当院の成人向け予防接種としてはインフルエンザと肺炎球菌のワクチン接種を行っています。その他のワクチン接種を希望される方はご相談ください。
インフルエンザワクチンとは
インフルエンザウイルスによる急性呼吸器感染症がインフルエンザです。同ウイルスに感染すると1~2日ほどの潜伏期間を経て発症し、38℃以上の高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、寒気などの全身症状が現れます。それと同時に喉の痛み、鼻水、咳といった風邪のような症状も見られます。このほか小児であれば、痙攣や中耳炎、ごく稀に急性脳症の症状が、高齢者や基礎疾患をもつ方では肺炎を併発するなど、重症化することもあります。
このようなインフルエンザを予防する有効な手段のひとつに流行前のインフルエンザワクチンの接種があります。接種時期としては、例年12月~翌3月頃に日本ではインフルエンザが流行していること、接種した後に効果が出るまでに約2週間かかることから、毎年12月中旬頃までに接種するのが望ましいと思われます。また、インフルエンザウイルスは毎年少しずつ性質を変え、異なるタイプが流行しますので、それに対抗するためにも、予防接種は毎年行うようにしてください。
なおインフルエンザの予防接種につきましては、成人だけでなくお子様にも接種を行っていますが、年齢によって接種回数が異なります。12歳までのお子様につきましては2回の接種が必要で、13歳以上の方から1回の接種となります。2回接種する場合は、1回目から2~4週間ほどの間隔を空けてから2回目の接種を受けるようにしてください。
肺炎球菌ワクチンとは
肺炎とは、肺に病原微生物(細菌やウイルスなど)が感染することで炎症を起こしている状態のことで、全身の免疫力が低下している際に発症しやすいと言われています。なかでも高齢者の方や基礎疾患を持っている方などにかかりやすく、しかも治りにくいことでも知られています。症状としては、発熱、激しい咳、呼吸困難などが現れます。
なお肺炎の原因菌の中で最も多いとされる菌が肺炎球菌で、大人の肺炎の実に20~40%は、この菌が原因によるものです。そのため、この肺炎球菌ワクチンを接種すれば、肺炎球菌による肺炎などの感染症を予防するほか、重症化のリスクを低減させる効果が期待できます。
日本人の死因の第3位を占める肺炎ですが、死亡者の9割以上が65歳以上の高齢者と言われています。高齢者の方は、肺炎球菌ワクチンの接種は定期接種となりますので、対象の方は可能な限りお受けになるようにしてください。
※肺炎球菌ワクチンは接種後5年以内に再接種を行うと、注射部位の痛みが強く出るケースがありますので、再接種を希望される方は、5年以上の間隔を空けてください。
高齢者の方の予防接種について
高齢者の方※につきましては、インフルエンザと肺炎球菌のワクチン接種の一部費用を公費で負担する定期接種(肺炎球菌は対象者のみ)となっております。肺炎球菌につきましては、当年度に65歳になる方でこれまで未接種の方等が対象になるなど、かなり限定されるので、対象かどうかわからないという方は、お住まいの自治体(市区町村)の公式ホームページをご確認ください。なお当院はたつの市が実施する高齢者インフルエンザワクチン予防接種と高齢者肺炎球菌ワクチン予防接種の実施医療機関です。
※65歳以上、もしくは60歳から65歳未満の方で、心臓・腎臓・呼吸器の機能に自己の身辺の日常生活活動が極度に制限される程度の障害やヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能に日常生活がほとんど不可能な程度の障害がある方